[特別記事]学生実況アナウンサー インタビュー
2016/07/02
第15回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権 特別コンテンツ
ブラインドサッカーの魅力を、実況という立場から伝える学生がいる。試合のもようを音声で伝える彼らが競技にたずさわることになったきっかけや、目前に迫ったアクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権に向けた意気込みを、早稲田大学放送研究会に所属する島貫凌、武田健太の2人に聞いた。記:慶應スポーツ 佐賀裕真(広報インターン)
━━ブラインドサッカーの実況を担当することになった経緯は?
武田:現在通っているアナウンススクールの先生がブラインドサッカーのコーラー(相手のゴール裏で選手に指示を出す:ガイドとも言う)と、大会前にアナウンスをする役割をしていました。その先生から依頼を受けて、自分たちに仕事が回ってきました。
━━ほかのスポーツの実況経験は?
武田:僕はないです。
島貫:アイスホッケーの実況をしました。関東の大学の試合を実況した経験があります。
━━ブラインドサッカーの試合を見たことは?
武田:初めて見たのは今年の1月です。3月のKPMGブラインドサッカークラブチャンピオンシップ2016に実況を担当しました。
━━いざ実況を担当して感じたブラインドサッカーの魅力とは?
武田:担当する前は、目の見えない方と目の見える方の間に壁があるのかなと思っていましたが、実際には壁が全くないことだと思います。
島貫:健常者と目の不自由な方が交わる社会を作りたいと聞いて、最初は難しいだろうと感じましたが、試合を見て、全盲の選手の方がアグレッシブで芸術的なプレーをするので、むしろわれわれ健常者がリスペクトするべきだと感じました。それから、交じり合う社会は実現可能だと思うようになりました。
━━逆に、実況する上で難しいと感じたことは?
武田:まずは、目の見えない人を相手に実況するので、映像だったら見えているものをすべて言葉にしないといけないことが一番難しいことでした。
島貫:あくまで僕らの役割は盛り上げ役ではなくて、目の不自由な方がわれわれと同じようにスポーツ観戦を楽しめるようにすることなので、「彼らの目」の役割をしなければいけない。つまり、われわれが見えているものを彼らに声で伝えなければいけないので、これを表現する難しさは普段の実況よりもありますね。
━━印象に残っている選手は?
武田、島貫:黒田智成選手(たまハッサーズ)です。
島貫:プレーが芸術的です。
武田:上にボールを浮かせて、それをそのままシュートしにいくんです。それがすごいです。
━━印象に残っているチームは?
武田、島貫:私達はあくまで実況というニュートラルな立場なのですが、やはりKPMGブラインドサッカークラブチャンピオンシップ2016で優勝したAvanzareつくばは強いと思いました。
━━Avanzareつくばの強さは、どんな点にあると思いますか?
武田:2チーム分作れるほどの選手層の厚さでしょうね。
島貫:川村怜選手と田村友一選手の連携に注目です。
━━日本選手権ではどんなことを念頭に置いて実況したいですか?
武田:前提条件として目が見えていない人へ向けて実況することは頭に入れておきたいです。これぐらいで分かるだろうという考えは持たずに、自分の主観で言葉を省くことがないようにしたいです。あとは盛り上がりも重要なので、盛り上げることを意識したいです。あとは3月の大会で頂いたフィードバックを意識して修正していきたいです。
島貫:目の不自由な人の目になるには、見ていることをすべて話す必要があると思っています。ボールだけ追っていればいいというわけではなくてガイド、キーパーの動き、監督の指示など周りの状況まで表現できるようにしたいです。
━━最後に、日本選手権に向けた意気込みを教えてください。
武田:(ブラインドサッカーの実況として)3月よりも成長していたいです。先輩からフィードバックしていただいた内容を頭に入れて、同じ失敗は繰り返さないようにしたいです。
島貫:3月のフィードバックを活かしたいです。そして、余裕を持って、ブラインドサッカーを楽しんで実況したいです。
大会概要
タイトル:第15回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権
日程:2016年7月9日(土)〜10日(日)(決勝および三位決定戦(10日・大会2日目)のみ有料席あり)
会場:アミノバイタルフィールド
主催:NPO法人日本ブラインドサッカー協会
メインパートナー:アクサ生命保険株式会社 アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクト生命保険株式会社
大会事務局:NPO法人日本ブラインドサッカー協会(〒169-0073 東京都新宿区百人町1-23-7 新宿酒販会館2階)