ご挨拶
日頃よりブラインドサッカーならびにロービジョンフットサル、協会活動につきまして格別のご理解とご尽力をいただき厚く御礼を申し上げます。
いよいよパラリンピックイヤーとなりました。今夏に開催が予定されている東京パラリンピックは、日本の障がい者スポーツにとって、様々な意味で記念すべき大会となるのではないでしょうか。
そして日本ブラインドサッカー協会は、今年も引き続き、より多くの方々にブラインドサッカーの楽しさと面白さを知っていただくとともに、日本障がい者サッカー連盟を通じて7つの障がい者サッカーとも連携し、障がい者スポーツの認知度向上と啓発をしていきたいと思っております。

昨年を振りかえると、5月の「Santen IBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2021 in 品川」は、新型コロナウイルスによる感染症拡大防止に対応するため、無観客で開催されました。海外チーム5か国が参加したこの公認国際試合では、関係者やスタッフの周到な準備と万全の対策が講じられました。
準優勝した男子日本代表。全試合がライブ配信される中、決勝戦ではYouTube配信が4.6万回以上再生、「ブラインドサッカー」がTwitterのトレンド入りするなどSNSでも大きく盛り上がり、手応えを感じました。ブラインドサッカーの魅力をお伝えできたのではないかと思います。
そして、8月末からの東京パラリンピック。ブラインドサッカーが日本に紹介されて以来20年、出場することは先人たちの思いが詰まった草創期からの願いでもありました。自国開催の記念すべき大会に、初出場、初勝利、順位決定戦に勝って5位となりました。次の飛躍に大きくつながるものと期待しております。
うれしかったのは、他のパラスポーツの盛り上がりに負けず、5人制サッカー(ブラインドサッカー)も全国の方が試合をテレビ越しに観戦されたことです。競技の面白さについて沢山のご感想と反響をいただきました。無観客の国内大会においても、順次映像ライブ配信を再開するなどリモート観戦を楽しんでいただいています。競技が、未来に向かって力強く試合機会の創出ができていることをうれしく思います。
今年は、日本ブラインドサッカー協会の事業の柱の一つダイバーシティ&インクルージョン事業であるスポ育やOFF T!ME、OFF T!ME Biz、またキッズキャンプ、キッズトレーニング、地域リーダープログラムwithブラサカなどの既存プログラムも、安全と安心を最優先に、オンライン開催から徐々に対面での実施を予定しています。コロナ禍の中における新しい日常に向け、おたすけ電話相談窓口を開設しましたが、さらに新しい事業の準備もすすめております。今後も、ブラインドサッカーが持っている価値を社会に提供できるように努めていきます。
競技団体として、クラブチームが47都道府県に設立され地域に根差した活動の裾野が広がる取り組みにも傾注していきます。なお、パラリンピック後に解散していた男子日本代表だけでなく、女子日本代表、ロービジョンフットサル日本代表も新体制となり再始動する予定です。強い日本代表、愛される日本代表をめざしてまいります。熱いご声援をよろしくお願いいたします。
様々な事業や取り組み、試合は多くのボランティア、サポーター、パートナー企業や協賛企業、行政や自治体、地域の方々、ご来場の皆さん、すべての関係者によって支えてられています。年々の大きな広がりを感じますが、あらためて日頃のサポートに深く感謝いたします。
ご存知のようにブラインドサッカーは、見えない人、見える人が一緒にプレーする競技です。既にピッチの上に混ざり合う社会が反映されている障がい者スポーツであり、多様性と調和が具現化されているパラスポーツでもあります。
皆さまとともに、掲げている協会のビジョン「ブラインドサッカーを通じて、視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を実現すること」、ミッション「ブラインドサッカーに携わるものが障害の有無にかかわらず、生きがいを持って生きることに寄与すること」に力を注いでまいります。 これからも心のバリアフリーや意識のイノベーションの推進、無意識の偏見への気づき、共生社会の実現に大きく貢献できるものと確信しています。
スタッフ一同、ますます張り切っています。皆さまの声に積極的に傾聴し、新たな視点に立って、これまで築き上げてきた活動をさらに進化させていく所存です。
今後とも日本ブラインドサッカー協会をご支援の程よろしくお願いいたします。
NPO法人日本ブラインドサッカー協会
理事長 塩嶋史郎