ニュース #003 視覚障がい者ならどなたでも! 「おたすけ電話相談窓口」特集(後編)

#003 視覚障がい者ならどなたでも! 「おたすけ電話相談窓口」特集(後編)

窓口で働くブラサカ選手にインタビュー!
どのようにお悩みを解決しているの?

 

【視覚障がい者ならどなたでも! 「おたすけ電話相談窓口」特集(前編)】はこちらからお読みいただけます。

今回は「おたすけ電話相談窓口」で、相談内容の解決方法を調べたり、電話対応などを担当している、弱視のブラサカ選手二人にインタビューをしました!
・どのように相談者のお困りごとを解決しているの?
・コロナ禍で視覚障がい者を取り巻く環境はどう変化した?
・「おたすけ電話相談」の仕事のやりがいは?
・どうして視覚障がい当事者が窓口にいるの?

視覚障がい者からの相談ならば、どんな相談でも対応する「おたすけ電話相談窓口」。二人は、視覚障がい者の相談解決のプロではありませんが、障がい当事者として窓口で仕事をしています。二人に、視覚障がい当事者だからこそ寄り添えた実際のお悩みやエピソードなどについて聞きました。

 


◆今回インタビューした選手
・駒崎 広幸選手:48歳。普段はスポ育やOFF T!MEで講師として活動中。30代のときに病気が発覚し、現在は弱視の状態。
・辻 一幸選手:38歳。普段はスポ育やOFF T!MEで、講師として活動中。5年前に病気が発覚し、現在は弱視の状態。ブラインドサッカーチーム・埼玉T.Wings所属。

「おたすけ電話相談窓口」は、電話対応等の窓口対応を主に担当するオペレーションチームと、寄せられたお悩みの解決方法を調べて、回答内容をまとめるソリューションチームの2チームに分かれています。それぞれのチームには、晴眼のJBFAスタッフと、視覚障がいのJBFAスタッフがいます。辻選手と駒崎選手は、ソリューションチームに所属し、相談者から寄せられたお悩みの解決方法を考えたり、調べ物をしたりしています。また、週に2日程度はオペレーションチームの電話対応業務も担当しています。

弱視の二人は、どんな仕事をしている?
当事者ならではの強みも。

ーー相談者からお悩みをいただいてから、解決までの流れを教えてください。
(駒崎)チームでお悩みに対応しています。オペレーションチームの電話窓口が相談を受け、それをソリューションチーム全員に共有します。その後、ソリューションチームで解決に向けて、何が必要かを考え、分担して調べ物をします。その結果を相談への回答としてまとめ、相談を受けてから72時間以内に相談者に返答しています。

ーーどのようにお悩みの解決をしているのですか?
(駒崎)私は、視覚障がい当事者として、アプリ等の操作実験を中心に行っています。実際に使ってみて、視覚障がい者が使いにくいところはないか、などを調べています。
(辻)私は、視覚障がい者の友人が多いので、彼らに聞いて必要な情報を集めています。
また、行政系の手続きで必要な情報を集めたい場合は、行政に直接電話します。例えば最近では、「コロナ禍で情報を得ることが難しくなってきたので、パソコンを購入したい」という相談がありました。その際、経済的なサポートやパソコン操作に関するサポートなど、視覚障がい者はどのような補助を受けられるかを聞きました。

ーー「おたすけ電話相談窓口」では視覚障がいのあるスタッフと晴眼スタッフが一緒に働いていますが、いかがですか?
(駒崎)それぞれが得意なことを分担できていると感じています。チームリーダーは、お悩みを受けて解決に向けて、チームに的確な指示を出してくれます。そのなかで、私たちの得意な分野の役割を振ってくれます。
(辻)基本的には、私たちの主体性に任せてくれているので、やりがいを感じています。私が苦手な仕上げの部分は、周りがサポートしてくれて、抽象的な表現を、人に伝わる文章にまとめてくれるので助かっています。

ーー窓口で電話対応をする際に気をつけていることは何ですか?
(駒崎)電話をかけてくださる方々は、不安な気持ちを抱いて電話をかけることが大半だと思うので、安心感を与えられるよう、柔和に対応するように心がけています。
(辻)私も視覚障がい当事者なので、相談者の不安に対して共感できるところは多いかなと思っています。自分の経験や当時の気持ちを交えて話をして、「悩んでいるのはあなただけじゃないんだよ」と相談者に寄り添えたらいいなと思っています。

ーー二人が視覚障がい当事者であるということが、この窓口では強みになりますね。
(辻)そう思います。私も、目が見えなくなる病気がわかった当時は本当に落ち込みました。健常者から話しても伝わりにくいことでも、そういった経験をしたことがある私から話すことで、少し受け入れてもらいやすくなるのかなと感じてます。
(駒崎)私の場合は、年齢も自分の強みかな(笑)。私は、高齢者に近い年齢なので、高齢層に対する理解は一番あると思っています。やっぱり自分より年上の人の悩みを理解することって、難しいところもあると思うので。私自身が、いろいろなことができない・知らないので、一緒に悩んで考えることができています。

 

コロナ禍で開設したおたすけ電話相談窓口。
感じたのは、情報を届けることの重要性。

ーー「おたすけ電話相談窓口」は昨年4月に、コロナ禍がきっかけで始めた窓口です。二人は視覚障がい当事者として、実際に日常生活の中で困っていることはありますか?
(駒崎)今はコロナ対策で、ほとんどの場所でアルコール消毒が設置されていますが、それが目につきません。消毒していないことがきっかけで文句を言われたりということもあります。
(辻)私は一人暮らしをしているので、スーパーに買い物に行きますが、人にぶつかるとすごく嫌な顔をされてしまいます。最近ではレジも距離を保って並ぶように、マークがありますよね。でも、私はそのマークが見えないですね。人が多い時間帯に外に出るのは、本当に疲れます。

ーーおたすけ窓口の開設から10カ月ほど経ちますが、どのようなところにやりがいを感じていますか?
(辻)必要な人に、必要な情報を届けることができるのが、この業務のやりがいです。情報の大切さというのは改めて感じます。
一般企業で働く、ある視覚障がい当事者からの相談がありました。長距離の通勤が大変、など仕事に悩みを抱えていらっしゃる方でした。その方は、受給資格があるはずの補助を受給していなかったので、その補助をご案内しました。補助を受給することで、引越して通勤に苦しまなくてよくなったかもしれないし、生活に余裕が出たことで職の選択が増えたかもしれません。必要な情報を提供することで、その人の”生きづらさ”を少し緩和できたのかなと思いました。

ーー視覚障がいは「情報障がい」と言われます。情報の価値は非常に大きいですね。
(辻)知らなくて損することはたくさんありますし、情報を知ることで生まれる安心感というのも非常に大きいです。私自身も将来が不安でしたが、視覚障がい者専門の老人ホームの存在を最近知りました。それを知ったら、自分が歳をとってもそこに入ればいいかというふうに思えて、気持ちがに楽になりました。必要な情報を知ることで前向きに生きていけることもある。なので、相談者さんに必要な情報を届けることを意識しています。

ーー最後に読者の方に伝えたいことはありますか?
(辻)一人でも多くの困りごとを抱えている視覚障がい者に届くように、この窓口のことを広めていただけると嬉しいです。やっぱり情報があるということは、視覚障がい当事者にとって非常に大きな安心感になります。
それから、視覚障がい当事者が窓口にいるということも伝えたいです。このような相談窓口は珍しいのではないのでしょうか。当事者だから理解できることが多いと感じています。気兼ねなくお話できればと思っています。
(駒崎)そうですね。見えている人は、ぜひ情報を拡散していただければと思います。この窓口の存在が、見えない人に届くことを願っています!

 


このように「おたすけ電話相談窓口」は、JBFAに勤務する、視覚障がいの当事者である選手やスタッフがお悩みに寄り添って解決方法を考え、各種サービスのご紹介などを行っています。わたしたちの窓口には専門家はいませんが、視覚障がいの当事者がどんな内容でもお聞きします。ブラインドサッカーを通して日頃から視覚障がい者と接しているスタッフが、適切な相談先をご紹介することもできます。

辻選手の話にあるように、視覚障がい者にとって情報の価値は非常に大きいものがあります。特に昨年からは、コロナ禍の影響で、情報へのアクセスが難しくなり、取り残される視覚障がい者も少なくありません。必要な人に必要な情報を届ける。そして、視覚障がい当事者の職員が可能な限り相談者に寄り添う。それがJBFAが提供する「おたすけ電話相談窓口」です。

この窓口の存在を、一人でも多くの困っている視覚障がい者に届けるには、わたしたちJBFAの力だけでは到底足りません。しかし、皆さまのツイート・シェアにより「おたすけ電話相談窓口」のことを知ってくれる人がいます。JBFAがめざす「混ざり合う社会」の実現へ向けたアクションを、皆さまもツイート・シェアから始めていただけると嬉しいです!

 


編集後記

最後までお読みいただき、ありがとうございます。ブラサカマガジン担当の貴戸です。
今回インタビューした辻選手・駒崎選手。二人はこれまで、選手としてスポ育やイベントなど現場での仕事をしていましたが、昨年から「おたすけ電話相談窓口」に携わって、成長を実感する部分があるようです。 「あらゆることを、一度自分ごとの問題として受け止められるようになった。実際に自分の悩みだとしたらどう感じるかな、と想像ができるようになった」「調べ物のスキルが向上した。パソコンアプリの操作が増えた」「自ら必要な情報を取りに行くことができるようになった」 相談者に寄り添い、困りごとを一緒に解決しようとしているからこその変化なのだと思います。

辻選手や駒崎選手の見え方は、日本弱視者ネットワークが開発したアプリ「見え方紹介アプリ」で体験することができます。これは、スマートフォンやタブレット端末のカメラに映る景色を画像処理することにより、弱視者の見え方を体験できるアプリです。ぜひ一度、このアプリを活用して、パソコンの操作や書類仕事をしてみてください。弱視の見え方を体験することで、障がい特性から生まれる得意・不得意を感じられるはずです。その体験をきっかけとして、他者への想像力を働かせていくことができれば、混ざり合う社会のあり方をも思い描くことができるのではないかと思っています。

 


 

 

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