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[特別記事]ブラインドサッカー審判対談(後編)

第15回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権 特別コンテンツ

第15回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権の開幕まで、いよいよあと1カ月と迫った6月某日、大舞台のピッチに立つ審判団が都内某所に集結した。高木和男、松田統、吉田豊宏、荒牧和希、山福寛明━━。いずれもサッカーやフットサルなどでの審判経験を活かし、今では国際試合のピッチにも立つ経験豊富なベテランだ。そんな5人へのインタビュー後半は、アスリートに最も近い立ち位置から見た競技の魅力を熱く語っていただいた。(敬称略)

 

━━今度は、皆さんとともにフィールドに立つ選手たちについても伺います。ブラインドサッカーのアスリートたちのどんなところに魅力を感じますか?

松田:まず、目が見えない中での空間認識能力がすごい。ファウルをしないでがんがん切り込んでいったり、ディフェンスの「ボイ、ボイ」の声を聞いただけで切り返す速さもそう。それと聴覚が研ぎ澄まされている。試合前に「ボールはこれでどう?」と選手に聞いたら、「これはダメ、(音が)練習ボールだよ」と言われたんです。あとで確かめたら、試合球の中に音が少し出にくい練習ボールが混ざっていた、ということがありました。

山福:目が見えない中でも全力で走って行く勇気。私たち審判もアイマスクをして体験はしているんですが、怖くてとてもとても走れないですよ。それを、ドリブルしながらすごいスピードで走っていく姿に感心します。

高木:障がい者のスポーツと言う人もいるかもしれないけれど、競技として見せられるレベルにあるのはすごい。サッカーとして面白いと思います。

荒牧:だいたい言われてしまったんですけど(笑)。試合中にすごく熱くなって、審判とも喧々諤々していた選手が、試合終了のホイッスルが鳴ると、礼儀正しく振る舞い、ピッチの外に出ると友達として打ち解けられるのも選手たちの魅力です。

吉田:みんなブラインドサッカーが好きなんでしょうね。やりたくてやりたくてしょうがないという思いがあふれていると感じます。

 

━━長年にわたって試合をジャッジしてきて、昔と今とでどんなところに違いを感じますか?

山福:ブラインドサッカーの競技規則には、「目が見えないことに気をつかいなさい」とは一言も書いていない。ただ昔は、選手やチームが(目が)見えないことに甘えていたし、「目が見えないから仕方が無い」という風潮があった。それがここ数年なくなってきて、競技レベルが上がったと思います。試合の中で戦うという意識がここ2、3年で変わってきた印象を受けます。

吉田:ファウルが少なくなったことによって、試合時間が短くなりました。パフォーマンスも向上して、接戦も増えてきました。

高木:チーム内での決めごとが増えて、それを実践できるようになってきています。セットプレーのバリエーションも増え、パスやボールクリアのコースにも狙いを感じますし、健常者に近いプレーができるようになってきたと思います。

松田:裏をかいたり、(いい意味で)ずる賢くなりましたね。

 

━━審判と選手たちとの関係に変化が出てきたようにも聞こえますが?

吉田:良くなっています。我々レフェリーは以前、ファウルを取ることを心がけてきたのですが、最近はファウルをさせない、抑止するようにしています。以前、選手たちは相手に触った後、有利に進めるために押すこともありました。でも今は、「相手に触って位置を確認する分にはいいけど、押さないように」と伝えれば、選手たちにもしっかり伝わります。それによってファウルがなくなり、プレーがフェアになります。そうなると、選手は楽しいし、審判も楽に試合を進行できます。あとは、ゴールラインの先のフェンスにぶつかるのを抑止するために、「危なかったら笛を吹いて止めるよ」と前もって選手に話しています。実際ぶつかりそうになったときに笛を吹いて止めると、選手から「ありがとうレフェリー」と言われたことがありました。

松田:試合前に、選手たちも誰がジャッジを務めるか話しかけに来ています。それをチームメートに伝えたりしていて(笑)。つまり、彼らはそれだけ審判の特徴を分かっているということですよね。

 

━━大会に注目しているファンや来場する方々に、ブラインドサッカーの魅力を、できれば審判ならではの目線で教えていただけますか?

吉田:普段は普通の青年が、アイマスクをしてピッチに立って試合の笛が鳴った瞬間、スイッチが入って戦士になる。彼らにはオーラがある。それを感じてほしい。「絶対お前にはシュートをうたせない」という気持ちだったり、駆け引きだったり。選手たちが本気の勝負をやりたいがために一生懸命練習してきているのが伝わってきます。そのバチバチした中で私たち審判も試合の手助けをしたいと思います。

松田:最近はセットプレーなどで浮き球を使ったり、ドリブルのときに、ボールが転がるときの音を殺したりして、相手を幻惑するための創意工夫をしています。そんな音のしないプレーを見極めると面白いと思いますよ。

吉田:黒田智成(たまハッサーズ)は、リフティングして相手を抜いて、ボールの落下地点で蹴るし。サイレントキラーですよ。

山福:ゴール裏のガイドの指示もひとつの観戦ポイントです。声で発する角度と距離の情報を頼りに、目に見えない選手はプレーするわけですから。普通のサッカーとは明らかに違うところが、そこにあります。

荒牧:音に対するファウルはブラインドサッカー特有で、観衆に対してなかなか分かりにくいものですが、その中でシグナルを送る審判のジャッジにも注目してほしいです。

高木:我々も観客が多い中でも動じずに、楽しい試合を見せられれば、審判冥利に尽きますね。

 

ブラインドサッカーの魅力をたくさん聞かせて下さり、ありがとうございました。

 

ブラインドサッカー審判対談(前編)はこちら!

 

大会概要

タイトル:第15回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権
日程:2016年7月9日(土)〜10日(日)(決勝および三位決定戦(10日・大会2日目)のみ有料席あり)
会場:アミノバイタルフィールド
主催:NPO法人日本ブラインドサッカー協会
メインパートナー:アクサ生命保険株式会社 アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクト生命保険株式会社
大会事務局:NPO法人日本ブラインドサッカー協会(〒169-0073 東京都新宿区百人町1-23-7 新宿酒販会館2階)

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